その不調、ホルモンの“乱れ”が原因かも

「最近イライラしやすい」「生理周期がバラバラになってきた」「なんとなくやる気が出ない」──こうした漠然とした体調の変化に心当たりがある人は少なくありません。原因が明確でないこれらの不調には、ホルモンバランスの乱れが関係している場合があります。とくに女性はライフステージによってホルモンの分泌が大きく変動するため、日常の変化にも敏感です。
ホルモンが乱れるとはどういうことか?
ホルモンとは、体内のさまざまな機能を調整する化学物質です。女性ではエストロゲンやプロゲステロンなどが代表的で、これらが一定のリズムで分泌されることで、月経や妊娠といった身体のサイクルが保たれます。ところが、過度なストレスや生活リズムの乱れ、過労、加齢などの影響で分泌のバランスが崩れると、全身にさまざまな不調をもたらす可能性があります。
“乱れ”が引き起こす具体的な不調とは?
ホルモンバランスが崩れると、生理周期の乱れや無月経、PMS(生理前症候群)の悪化、不妊、睡眠障害、うつ症状、肌荒れ、冷え、むくみなど、多岐にわたる不調が現れます。身体的な変化だけでなく、感情の起伏が激しくなる、集中力が低下するといった心理的な影響も見逃せません。「年齢のせい」と思い込まずに、ホルモンの変化に目を向けることが第一歩です。
整えるためにできること
ホルモンの乱れを防ぐためには、まずは自律神経を整えることが大切です。規則正しい生活、十分な睡眠、リラックスできる時間を意識的に確保することで、ホルモンの分泌をコントロールしている視床下部への負担が軽減されます。さらに、ホルモンの材料となる栄養素を意識した食事や、必要に応じたサプリメントの活用も有効です。とくにイソフラボンやビタミンB6などは注目されています。
不調を我慢せず、自分を整える意識を
「我慢すればそのうち治る」と放置しがちな体のサインですが、放置することで長期的なトラブルに発展することもあります。婦人科での相談や検査も視野に入れ、自分の身体の状態を客観的に把握することが重要です。乱れた状態が当たり前になる前に、対策をとることで将来の不調を防ぐことができます。
ホルモンの“乱れ”に気づいたときこそ、自分の体と心に目を向け、生活習慣を見直すチャンスです。