PMS(月経前症候群)に悩む女性へ:心と体の波と上手に付き合う

ソファで落ち込む女性

生理前になると気分が落ち込んだり、イライラしたり、体がむくんだり。こうした不調は、PMS(月経前症候群)の可能性があります。特に仕事や人間関係に影響を及ぼすほど深刻な症状に悩まされる方も少なくありません。PMSは心の問題ではなく、ホルモン変化に由来する「身体の反応」であることを理解することが、対処への第一歩です。

PMSとは何か?その特徴を知る

PMSは、生理の約1〜2週間前から心身に現れるさまざまな不調のことを指します。症状は200種類以上あるとされ、主に「精神的症状(イライラ、落ち込み、不安感など)」と「身体的症状(乳房の張り、頭痛、むくみ、腹痛など)」に分類されます。これらの症状は生理開始とともに軽快または消失するのが特徴であり、毎月繰り返される点も大きなヒントとなります。

原因はホルモン変動と個体差にあり

PMSの主な原因は、排卵後に分泌が増える黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響と考えられています。このホルモンは体温を上げたり、気分の不安定さを引き起こしたりする作用があり、人によって感受性に差があります。また、セロトニンという脳内物質の分泌バランスにも影響を及ぼすとされており、ストレスや生活リズムの乱れがPMSを悪化させることも知られています。

PMSを軽減するための対策と治療法

症状が軽度の場合は、生活習慣の見直しやセルフケアが有効です。規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動、カフェインやアルコールの控えめな摂取などが基本となります。症状が重い場合は、低用量ピルによるホルモンコントロールや、精神的症状に対する抗うつ薬の処方が検討されます。また、婦人科での正確な診断を受けることで、自身のPMS傾向を把握しやすくなります。

サプリメントや栄養面からのサポート

PMSの軽減には、ビタミンB6やカルシウム、マグネシウム、γ-リノレン酸を含むサプリメントが注目されています。これらは神経伝達物質のバランスを整えたり、ホルモン代謝に関与することで、不快な症状を和らげる働きがあるとされています。また、乳酸菌による腸内環境の改善が、間接的にPMSの緩和につながるという報告もあります。医師や薬剤師と相談しながら、自分に合った方法を取り入れるとよいでしょう。

PMSは「気のせい」でも「我慢すべきこと」でもありません。症状に悩んでいる自分を責めるのではなく、身体の変化を正しく理解し、必要なサポートを受けることが、毎月の心と体を守る第一歩になります。