産後の腟トラブル、我慢しないで向き合う方法

母親の腕の中で眠る赤ちゃん

出産後、腟に違和感を覚える人は少なくありません。かゆみ、におい、ヒリヒリ感など、誰にも相談できずに一人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。こうした症状は“腟トラブル”とひとくくりにされがちですが、その原因や対処法はさまざまです。腟の状態はホルモンの影響や細菌バランスに大きく左右され、出産をきっかけにそのバランスが崩れることも珍しくありません。今回は、産後の腟トラブルにどう向き合えばよいかを丁寧に解説します。

ホルモンバランスの影響

産後はエストロゲンの分泌が減少し、腟の潤いが減ることで粘膜が乾燥しやすくなります。これが原因でかゆみや炎症が起こりやすくなり、腟内環境のバリア機能も低下します。その結果、普段なら問題ない菌でも炎症を引き起こしてしまうことがあります。特に育児による睡眠不足やストレスも加わると、さらに免疫力が低下し、トラブルが長引くこともあります。

繰り返す不快感の正体

「またかゆくなった」「何度も同じ場所が痛む」と感じたら、それは腟内の常在菌バランスが崩れているサインかもしれません。デリケートゾーンには“ラクトバチルス”という善玉菌が存在し、酸性環境を保つことで外部からの菌の侵入を防いでいます。しかし、出産や抗生物質、ストレスなどの影響でこのバランスが乱れると、細菌性腟炎やカンジダなどの疾患が起こりやすくなります。

ケアと予防の第一歩

まずは症状に合わせた専門医の診断が重要です。腟洗浄や市販薬の使用を自己判断で続けると、かえって悪化することもあります。また、最近では腟内環境を整えるサプリメントも注目されており、善玉菌を補うことで体の内側から改善を目指す方法もあります。継続的に摂取することで腟のpHバランスを整え、再発のリスクを減らす可能性が期待されています。

誰にも言えない不安に光を

腟の悩みはとてもプライベートなもので、恥ずかしさから誰にも相談できずに長引かせてしまう方も多いです。しかし、悩みを一人で抱え込む必要はありません。医師や女性専門のサポート窓口など、頼れる場所はたくさんあります。


腟トラブルは、正しい知識と早めのケアで必ず軽減できます。自分の体と向き合い、無理なくできることから始めてみましょう。