細菌性腟炎の治療法

青い背景に並ぶ薬

細菌性腟炎の治療法は、原因となる細菌の過剰な増殖を抑えることを目的としています。一般的な治療法は以下の通りです。

抗生物質の使用

・メトロニダゾール(Flagyl)
メトロニダゾールは、細菌性腟炎の第一選択薬とされることが多い抗生物質です。内服薬として服用する場合と、腟内にクリームやジェルとして使用する場合があります。通常、内服薬は500mgを1日2回、7日間服用します。腟クリームやジェルの場合は、就寝前に一定量を腟内に挿入するのが一般的です。

・クリンダマイシン(Cleocin)
メトロニダゾールにアレルギーがある場合や、効果が不十分な場合にはクリンダマイシンが使用されることがあります。クリンダマイシンも内服薬と腟内に挿入するクリームがあり、使い方はメトロニダゾールと似ています。ただし、クリンダマイシンを使用する際には、特に腟内クリームの場合、コンドームやダイアフラムが避妊具として効果を失う可能性があるため、治療期間中は代替の避妊方法を考慮する必要があります。

パートナーの治療

細菌性腟炎自体は性感染症ではありませんが、性的活動がリスク要因となる場合があります。そのため、再発を防ぐためにパートナーにも治療が推奨されることがあります。特に症状が繰り返し発生する場合や、他の性感染症が疑われる場合には、パートナーと共に診察を受けることが重要です。

生活習慣の改善

・腟内のpHバランスの管理
細菌性腟炎は、腟内のpHバランスがアルカリ性に傾くことで悪化することがあります。乳酸菌を含むヨーグルトを摂取することや、乳酸菌サプリメントの使用が推奨されることがあります。ただし、乳酸菌の効果については個人差があるため、医師と相談して適切な対策を取ることが望ましいです。

・腟洗浄剤の使用を控える
市販の腟洗浄剤や香り付きの石鹸は、腟内のバランスを崩す原因となることがあるため、これらの使用を控えることが推奨されます。腟は自己浄化機能を持っているため、過度な洗浄は逆効果となることがあります。

再発予防

・抗生物質の長期服用
細菌性腟炎の再発が頻繁に起こる場合、低用量の抗生物質を長期にわたって服用することが考慮されることがあります。この方法は医師の指導のもとで行われるべきであり、自己判断での長期服用は避けるべきです。

・定期的な診察
再発を防ぐためには、定期的に医師の診察を受けることが重要です。特に再発傾向が強い場合には、定期的な検査と医師のフォローアップが必要です。

合併症の予防

・性感染症の検査
細菌性腟炎と同時に性感染症が存在する場合、それぞれの治療が必要です。性感染症が存在すると、細菌性腟炎が悪化するリスクが高まるため、性感染症の検査と治療も考慮されます。

細菌性腟炎は適切な治療を受ければ多くの場合、完全に治癒しますが、再発が多い疾患でもあります。再発を防ぐためには、医師の指導のもとで治療を継続し、生活習慣を見直すことが重要です。また、治療中および治療後に症状が再発した場合は、速やかに医師に相談することが推奨されます。