子宮内の乳酸菌のバランスが崩れると発生する健康問題

子宮内の乳酸菌のバランスが崩れると、いくつかの健康問題が発生する可能性があります。通常、健康な子宮内環境にはLactobacillus属の乳酸菌が優勢で、これがpHを低く保つことで、有害な病原体の侵入を防ぎます。このバランスが崩れると、次のような問題が発生することがあります。

1.細菌性腟炎

乳酸菌が減少し、他の細菌が増殖すると、細菌性腟炎(Bacterial Vaginosis, BV)が発生することがあります。この状態は異常な腟分泌物やかゆみ、悪臭などの症状を引き起こし、時には子宮内膜炎や卵管炎など、より深刻な感染症に進展することもあります。

2.妊娠関連の合併症

妊娠中に乳酸菌バランスが崩れると、早産や流産のリスクが増加する可能性があります。これは、細菌性腟炎が子宮内の環境に悪影響を与え、炎症や感染を引き起こすことによります。

3.不妊症

子宮内の乳酸菌バランスが崩れると、精子が子宮内を移動する際に障害が発生し、不妊の原因になることがあります。また、子宮内膜の受精卵の着床環境が悪化し、妊娠の成立が難しくなることもあります。

4.免疫系の低下

乳酸菌は子宮内の免疫系の一部を担っており、バランスが崩れると感染に対する抵抗力が低下します。これにより、性感染症などのリスクが高まります。

5.慢性的な炎症

乳酸菌の減少は、子宮内で慢性的な炎症を引き起こす可能性があります。これは、骨盤内の痛みや月経不順、さらには子宮内膜症などのリスクを増加させます。

乳酸菌バランスの崩れを予防するためには、適切な衛生管理や健康的なライフスタイルの維持が重要です。また、バランスが崩れた場合は、プロバイオティクスやその他の治療法を用いて乳酸菌を補うことが推奨される場合もあります。