産後のストレス―「がんばる母」から「ゆるめる母」へ

自分のために紅茶を淹れる女性

赤ちゃんが無事に生まれて、幸せなはずなのに、なぜか気持ちが不安定になる――そんな戸惑いを抱える産後の女性は少なくありません。「ちゃんと育てなきゃ」「泣かせちゃいけない」とプレッシャーを感じて、完璧を目指してしまう人ほど、自分を追い込んでしまいます。出産はゴールではなく、そこから始まる新たな生活のスタート。だからこそ、産後のストレスとどう付き合うかが、育児を“楽しめるかどうか”を大きく左右するのです。

「理想の母親像」が心を締めつける

SNSや育児本で目にする“良い母親像”は、知らず知らずのうちに母親たちの心に大きな影を落とします。部屋をきれいに保ち、手作りの離乳食を作り、穏やかな笑顔で赤ちゃんに向き合う――そんなイメージがプレッシャーとなり、「私なんてダメだ」と自信をなくしてしまうのです。さらに、夜泣きが続いたり、授乳に苦戦したりするたびに、「うまくできない自分」に対して怒りや悲しみが積もっていきます。誰だって初めての育児は不安で当たり前。完璧な母親を演じようとしすぎないことが、ストレスを減らす第一歩です。

身近な人とのすれ違いも大きな要因

ストレスの原因は育児だけではありません。パートナーとの家事・育児分担の不均衡、祖父母との関係性、孤独感――どれも積もれば心の負担になります。「察してほしい」と思っても、実際には伝えなければわからないことばかり。イライラをため込まず、言葉にすることが大切です。「お願い」や「助けて」が言える関係性をつくることが、ストレスから自分を守る最大の盾になります。

“自分だけの時間”を確保する工夫

赤ちゃんのお世話で1日が終わってしまう生活の中でも、1日10分でいい、自分だけの時間を持つことが心の回復につながります。ホットドリンクを飲む、本を数ページ読む、日記を書く、スマホを手放して目を閉じる――どれも立派なセルフケアです。「育児中は自分のことは後回し」という思い込みを捨てて、少しずつ“ゆるめる”ことを習慣化していきましょう。

補助食品やサポートを活用してもいい

育児ストレスで腸内環境や自律神経の乱れが出る人も少なくありません。最近では、女性の心身バランスをサポートする乳酸菌やビタミンB群を含むサプリメントも注目されています。また、行政のファミリーサポートや産後ケア事業など、制度を“使い倒す”ことも大切です。一人でがんばるより、上手に支えを借りる方がずっとスマートです。

性交痛は“我慢するもの”ではなく、“向き合うもの”。あなたの心と体の声に耳を傾け、必要なケアと対話を積み重ねていくことで、少しずつ安心できる時間を取り戻していけます。